出会いと感謝は仕事する上で大事。椅子張り職人から学んだこと。

京都の椅子張り職人作業場

「生地を張り替えて使い続けようとしてくれているだけで感謝の気持ちしかない」

これは知人が残した自分の琴線に触れた言葉です。(彼は生きています。)
仕事の合間にこの知人の納品を手伝い、その車中で彼が話した仕事観にちょっとした感銘を受けてしまいました。

彼は椅子の張り替え職人。 愛着のある椅子をこれからも長く使ってもらえるように、修繕し、補強しています。自分もやってもらったことがあり、その腕は確かです。やってもらったのは下のやつ。

張り替え

業界、分野を問わず独立してやっていこうとすると営業力は必須で、特に独立したてに仕事がないとかなり辛い。そうならないために、人脈を頼りに仕事をもらう下準備をしておく事も一つの営業方法で、それには、広く顔を売るだけでなく会話力が求められます。

これを絶妙な距離感でやってしまうのが彼で、仕事の合間を縫って納品についていくのは、それを間近で見て学ぶ事が多いからです。

間を楽しむ

初対面やまだ慣れていないときは、会話に生じる少しの「間」に恐怖を感じて日頃やらない行動や癖が出ます。例えば、腕を組んだり、髪を触ったり、「えー」とか「まあ」などの意味のないフレーズを発言の冒頭に挟みすぎたりといったこと。それは恐らく余裕がないからだけでなく、その瞬間が早く過ぎ去って欲しいとどこかで思っているから。その証拠に自分は「早く帰りたい」と思う時があります。

  • 次に相手がどのような発言をするのか
  • 自分に興味を持ってもらうにはどうすれば良いのか
  • この質問に答えてくれるだろうか
  • なんで時間を割いてくれたんだろうか

その瞬間が過ぎることを望むよりも、上記のように考え工夫をすれば、その「間」さえ楽しめるのかもしれません。

仲良くなる過程を楽しむ

1回目で仲良くなるのは稀で、顔と名前を覚えてもらうために足を運ぶ回数を重ね、他愛もない話から仕事の話まで幅広くする。彼はよく「もう少しで仲良くなれそうやねん」と言います。超ポジティブです。少しでも時間ができそうなら、行く用事や話題を考えてアポを取ります。行動がめちゃくちゃ早いです。人と会う事を趣味や遊びのように考えていることが見ていて面白い。

出会いが幅を広げる

「この人と絡めたらなんか面白いことができる」というアンテナを常に張っていると、人との出会いに積極的です。それは、仲良くなったことが縁で仕事をするケースもあるからです。私も知人や仕事仲間に人を紹介してもらうことがあります。考え方や波長が近ければ意気統合しやすく、結果的に仕事の受発注につながることもしばしばです。

「依頼するなら、自分の知っている人か、実績が豊富な人が良い」

仕事の相談や依頼を受ける際によく言われます。両方満たしていることが理想ですが、「知っている人」であるということは少なからずプラスに働きます。何か新しいことをする時に、知人に話を聞き、精通しているのなら依頼したいと言われるのは、よくあることですからね。

楽しむために感謝する

冒頭の彼の言葉「生地を張り替えて使い続けようとしてくれているだけで感謝の気持ちしかない」は、検討してくれたことや数ある中から声を掛けてくれたことへの感謝なのかもしれません。

未成約や取りこぼしが続くと、「自分は最善のことをした。でもお客さんが理解してくれなかった。」のように自分を正当化して人のせいにする時があります。そう思い始めると、急に仕事が楽しくなくなって、次も取れないような気になります。いわゆる負の連鎖というやつです。

客に理解してもらえなかったのは、自分の伝え方や提案の説得力が足りなかったからで、もっと精進して経験と実績、顧客目線を磨け。という裏返しなのだと思えれば、そう考える機会を与えてくれたことに感謝できるようになるかもしれません。


技術やトレンドなどの仕事内容に関するインプットだけでなく、仕事の考え方や取り組み方といった幅広い観点からもインプットしていくことの重要性を改めて感じております。そのため、アウトプットとなるこの記事がいつも以上にエッセイぽくなってしまいました。

↑ この類の本は読まないのですが、松岡さんの表情が良すぎたので買ってしまった。この人は冷静に熱い人だ。

関連記事