サイト制作を依頼する時に明確にしておかなければいけないこと

Whyから始める

最近、人を紹介していただく機会に恵まれておりまして、「ホームページを作りたい」「サイトリニューアルしたい」、これに続けて「なんぼで作れんの?」と関西特有の表現で聞かれます。規模や業種とかもありますが、「何のためにやるのか」が分からない状況では答えようがありません。

サイト制作を「とりあえず」や「なんとなく」程度で考えている方は、イメージが超絶漠然で抽象的です。これでは作ったとしても、競合の多い荒波を泳ぎきる事はできず、すぐに溺れてしまいます。で、サイト制作にかかったコストすら回収できなくなる、みたいな感じ。

では、依頼する側はどうすれば良いのか。サイト制作の流れは、検索すればたくさんありますので、依頼するにあたって「明確にする」ことだけに焦点を当てて、私なりにまとめてみます。

目的を明確にする

まずは、ここから。リニューアルでも新規制作でも「何のためにやるのか」という目的が不透明だと、最終的にふわっとしたものになってしまいます。出来上がったとしても、そもそもサイトに対する熱意が無いので、他人事のような感覚になりがちです。
だからこそ、この目的は時間をかけてでも煮詰めまくって明確にしなければいけません。

例えば、リニューアルを検討するにあたって、お問い合わせを増やしたいという目的があるとします。これでは、まだ漠然としているので、アナリティクスを使って現状の課題を探っていきます。(新規制作の場合は、「ウェブサイトである必要性」の観点から考えていくと良いです。)

  • 現状のアクセス数
  • コンバージョンの率と数
  • モバイルとPCからの閲覧数
  • 離脱の多いページはどれか
  • 検索キーワード

すぐに思いつくのは上記のようなものでしょうか。これらで課題を浮き彫りにしていくと、

「お問い合わせを増やすためには、アクセス数を増やさないといけない。でも、成果率もかなり低いな。これはサイト設計から見直さないといけない、早急にリニューアルが必要だ。」

のように、目的が明確になり、リニューアルする必要性もはっきりします。こうなれば、リニューアル後は毎日アナリティクスを見て、アクセス数がどうなっているか気にするようになるはずです。検索キーワードが知りたいのなら、サーチコンソールも同じくらい見るようになります。

「アナリティクスなんて見たことないし、よく知らない。」という人は、そもそもの課題感が無く、リニューアルを検討する理由も「今のデザインになって3年経ったし、そろそろしよか。」みたいな場合があります。それでは、リニューアルしても課題が一つも解決できず、状況は変わりません。アクセス状況の把握は最低限やっておくべきこと。体感値ですが、検索上位表示だけに目が行く人ほど、実際のアクセス状況を把握していない傾向が強いです。

ターゲットを明確にする

カフェサイトのリニューアルを例に考えてみます。ここでは、「主婦層の新規客を取り込む」を目的とし、ターゲット像を以下のように設定していきます。

  1. 年齢層: 30代後半以降の女性(主婦)
  2. 居住地域: 店舗近辺(車で10分圏内)
  3. 欲求: 友人2人以上でランチしたい、完全禁煙、おしゃれなところ
  4. インターネットの利用状況: スマホ利用が主で、PCはほぼ使わない

自分がこの時に意識していることは、「どんな人に来てもらいたいのか」を明確にすることです。ビジネス街でもないのに、平日の昼に男性のサラリーマンを対象にしたがっつりランチをやりたいとしたら、サイトリニューアル以前に店移転しますよね。

上記のように年齢層や居住地域、ネットの利用状況、欲求、趣味、家族構成、職業といった観点を絞り出し、場合によっては架空の人物像(ペルソナ)を作りあげたりもします。お問い合わせがゴールなら、その架空の人物がゴールに辿り着くまでのストーリーも考えます。

ターゲットの流入経路を考える

飲食店を探すとき、多くの人が「ランチ + 食べたいもの + 地名」で検索するはずです。結果は、食べログのようなグルメサイトばかりで、店名以外のキーワードでヒットさせるのは至難の技。
Google検索であれば、「ランチ カフェ」で検索すると、現在地を踏まえたマップ情報を掲載してくれます。下の写真は「京都府京都市付近」が現在地として設定されている時の検索結果です。

lunch cafe kyoto

グルメサイトがこれだけ表示されるのは、店の評価と店内や料理の写真が多くの人の関心事だからです。なので主な流入経路をグルメサイトにし、そこでの口コミや評価が上がるようなサービスをする。また、自店舗のサイトに来てくれた人は、より興味を持ってくれているはずなので、グルメサイトにない料理の写真を掲載するといった、流入経路を想定した方法を考えます。

ターゲットに合わせたコンテンツとデザイン

ランチしにくる主婦を想定するのであれば、

  • 「今週のランチ」としてランチ写真とメニューを目がいきやすい配置する。
  • ゆっくりできる印象を与える内観写真を充実させる
  • 完全スマホファーストで制作(PCからの閲覧はおまけ程度)
  • 料理写真が中心になるので、アクセントに暖色を取り入れる。
  • 「ここどう? 」と主婦仲間のグループにLINEできるように、シェアボタンを設置する。

最低でもこれくらいはやって、徹底的にターゲットに合わせていきます。その時、ターゲット設定が曖昧だと悲惨です。「広い層に受けるように」と言われることがあるのですが、中途半端なものになるだけです。

責任者を明確にする

サイト制作を依頼する場合は、発注側の窓口担当者の人選は重要です。
制作側の立場では、作業ごとに「上司に確認します」と言われてしまうと、納期がいくらあっても足りません。発注側(依頼側)からしても、希望納期があるはずなので遅れることは避けたいはずです。なので、発注側は依頼するにあたり、責任の所在や権限の範囲を決めておくことが重要です。あらかじめ体制を明確にしておけば、トラブル回避にもつながります。

自分は、責任者と担当窓口が別な場合、チャットツール(chatworkが多い)で責任者と担当者を含めたグループを作成して、プロジェクト専用のコミュニケーションスペースを確保します。基本は担当者とのやり取りとなり、上司は常にそれを把握でき、決裁を伴う場合は、上司にタスクを振って回答を求めるという感じでやっています。

明確になるだけで、うまく行きやすくなる

他にも、依頼前には、実績やコミュニケーション力、制作スキルなど制作側の素性を明確に知ることも重要になります。ただ、全ての始まりは、「何のためにやるのか」だと思うんです。これが明確であるほど建設的な話ができ、具体的なことも決まりやすいです。

もしサイト制作を考えている場合は、ここで述べた観点が明確になっているかを再確認してはいかがでしょうか。

TEDにも登壇しているサイモンシネックさんの本。「How(方法)」と「What(していること)」は「Why(理由)」によって成り立っている。だから物事の根底には常に「Why」がある。この「Why」へのアプローチの仕方、考え方などを示してくれる本で、「何のためにやるのか」を煮詰めていく時に参考になりますよ。

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